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乾燥
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【医師コラム】敏感肌さんのための正しいスキンケア方法

2022.12.14

敏感肌は、皮膚のバリア機能が低下していろいろな刺激にお肌が過敏に反応してしまう状態を言います。1年中かゆみや赤みなどの肌荒れに悩んでいる方も多いと思います。敏感肌の原因の一つに、不適切なスキンケアが挙げられます。ご自身でお肌にダメージを与えている方が意外と多いのです。今回は、スキンケア製品の選び方や正しいスキンケア方法を簡単にお話します。 クレンジング スキンケアの最初はクレンジングです。日焼け止めやメイクをしっかり優しく落としましょう。化粧品の成分がお肌に残ったままですと、肌荒れの原因となります。一方で、しっかり汚れを落とそうとゴシゴシお肌を擦ってしまうと、その摩擦もお肌に負担となってしまいます。クレンジングはお肌への負担が軽いオイルタイプやクリームタイプなどを選びましょう。シートタイプは拭き取る際に摩擦が生じ、お肌を傷つける可能性があるので避けましょう。 洗顔 次に洗顔です。翌日に持ち越さないように、一日の汚れや皮脂をしっかり洗い流しましょう。洗顔料の選び方は、ピーリングやスクラブ成分が含まれた洗顔料はお肌に刺激になるので避けましょう。かゆみや赤みの原因となる場合があります。泡タイプの洗顔料などを使って、きめ細かい泡でお肌を擦らないように洗いましょう。 自分は大丈夫と思っても、意外と無意識にゴシゴシ擦って洗顔をする方が多いです。ただでさえ日常的なマスク装着で、お肌は例年以上に摩擦を受けてダメージが蓄積しています。洗顔の時は、手がお顔の皮膚に触れないように、たっぷりの泡でくるくると優しく洗うことを心がけましょう。 化粧水・乳液・美容液・クリーム 洗顔でキレイなお肌になった後は、お肌に栄養を与えてあげましょう。まずは、化粧水でたっぷり潤いを与えましょう。手のひらに取り、手の体温でお肌を温めるように優しくお顔を包みます。1回ではお肌が吸収できる化粧水の量は少ないので、2,3回に分けて少しずつ浸透させましょう。次に、乳液でお肌からうるおいが逃げてしまわないように蓋をしましょう。クリームは冬場など、特に乾燥の気になるときにプラスするといいですね。 また、美容液も効果的です。最近は、ビタミンCやトラネキサム酸などの美容成分が入った美容液も多く見かけます。ご自身のほしい効果に合ったものを使いましょう。 まとめ 敏感肌の方がお肌のコンディションを保つためには、スキンケアが非常に重要です。また、ご自身のお肌に合ったスキンケア製品を使うことも大切です。日々のスキンケアの積み重ねで少しずつお肌が整ってくるので、ぜひ参考にしてみてください。   この記事を書いた医師 木村奈緒 医師 経歴: 久留米大学医学部卒業。現在は美容皮膚科クリニックにて勤務しており患者様の理想の姿に近づくサポートをしている。  

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【医師コラム】敏感肌とはどんな肌のことなのか

2022.11.02

敏感肌とは 敏感肌は医学用語ではありませんが、一般的に皮膚のバリア機能が低下し様々な刺激に対して皮膚に起こる過剰な反応を言います。その症状は、例えば、赤みやかゆみ、ピリピリした感じなどです。原因となる刺激には、アレルギーや乾燥など様々あります。今回は、原因に分けて敏感肌を簡単にお話します。 乾燥性の敏感肌 乾燥は敏感肌の原因として特に多いものです。皮膚の水分が不足し乾燥すると、皮膚のバリア 機能が低下します。空気が乾燥する冬だけでなく、夏でもエアコンによる乾燥や水分摂取不足の乾燥など常に乾燥のリスクは溢れています。 また、スキンケアで洗いすぎ、擦りすぎの方も乾燥肌になりやすいです。自身で乾燥肌を作っ ていることも案外多いので、お肌は優しくケアしてあげましょう。 アレルギー性の敏感肌 アトピー肌の方は、元々のお肌の性質として乾燥肌がベースにあります。なので、バリア機能が低下しており皮膚が刺激に弱く、アレルギーによる肌荒れを起こしやすくなっています。 そのアレルギーの原因は、ほこりや合わない化粧品、花粉など様々です。アレルギーの原因となるアレルゲンが特定できると一番いいですが、多くは複数の要因が絡み合って症状をひきおこしているので、アレルゲンすべてを特定することは困難です。皮膚科へ行くとパッチテストと言って、アレルギーの原因を調べることができます。調べることのできる項目は限られていますが、肌荒れを抑えるヒントは得られるかもしれません。 季節性の敏感肌 先にもお話した通り、敏感肌の原因は季節を問わず常にありますが、季節で特有の原因を以下に挙げます。 ・春:花粉 ・夏:紫外線、汗、エアコン ・秋:寒暖差 ・冬:空気の乾燥、暖房 紫外線は夏に限ったものではなく年中降り注いでいるので、常に紫外線対策が必要です。また、日焼け止めや化粧品の成分が肌に残るとそれだけでも肌へのダメージとなります。一日の終わりには必ず日焼け止めやメイクを優しく落とし、日々のスキンケアを大切にしましょう。【まとめ】 非常に多くの方が敏感肌で悩んでいます。敏感肌と一口で言っても、その原因は様々です。自身の肌荒れの原因を考えてみて、お肌をキレイな状態に保ちましょう。一度、生活習慣やスキンケア方法を見直してみてくださいね。   この記事を書いた医師 木村奈緒 医師 経歴: 久留米大学医学部卒業。現在は美容皮膚科クリニックにて勤務しており患者様の理想の姿に近づくサポートをしている。  

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【医師コラム】アトピー性皮膚炎とステロイドの付き合い方

2022.11.02

アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能が低下して、いろんな刺激に対して皮膚が炎症や湿疹を生じる疾患です。また、乾燥もアトピー性皮膚炎を悪化させる要因の一つです。 適切な治療によって症状がコントロールされると湿疹が改善し、肌荒れのない状態が期待できます。治療法は大きくステロイド外用薬と保湿の2つに分けられます。ステロイド外用薬は、副作用を不安に思う方がいらっしゃいますが、アトピー性皮膚炎は炎症を早い段階で確実に抑えることが重要です。そのため、かゆみなど症状が悪化する前にステロイド外用薬で治療をすることが大切です。また、保湿は化粧水をこまめにたっぷり塗ったり、口から水分を十分に摂取することが重要です。 【ステロイド外用薬】 ステロイド外用薬は炎症を引き起こす細胞の働きを抑える作用や、皮膚の細胞の活性を抑えてかゆみや湿疹といった皮膚症状を改善する効果があり、アトピー性皮膚炎治療には欠かせない薬です。その効果の強さから、weak、medium、strong、very strong、strongestの5つのランクに分けられます。皮膚科を受診すると、症状に合ったランクのステロイド外用薬を処方してもらえます。 ですが、「ステロイドは副作用が多い薬」と思い、使用を躊躇される方がいらっしゃいます。確かに、ステロイドの注射や飲み薬では全身に効くので、全身に副作用が出る可能性があります。一方で、外用薬は塗り薬なので、その効果は塗った部分に限られます。そのため使用量も少なく済みその副作用は限定的です。 【副作用の種類】 ステロイド外用薬は副作用の少ない塗り薬とはいえ、そのリスクはゼロではありません。以下のような症状が挙げられます。このような副作用が生じても、数か月かかりますが、使用を止めると徐々に元のお肌に戻ることが多いです。 ・発赤 ・多毛 ・毛細血管拡張 ・ニキビ 【まとめ】 皮膚からのステロイド吸収は、使った分のたった3%です。その分、副作用もとても限られます。ステロイド外用薬は正しい知識で正しく使えば、アトピー性皮膚炎にとても効き目のある治療法です。保湿剤を併用して、効果的に症状改善を図りましょう。 この記事を書いた医師 木村奈緒 医師 経歴: 久留米大学医学部卒業。現在は美容皮膚科クリニックにて勤務しており患者様の理想の姿に近づくサポートをしている。