【医師コラム】敏感肌さんのスキンケア製品の選び方、チェックすべき成分

2022.12.14

敏感肌の定義

敏感肌の方は、皮膚のバリア機能が低下して刺激に対して皮膚が過敏に反応してしまう状態を指します。赤みやかゆみといった日々のお肌トラブルへの対応やスキンケアも大変だと思いますが、お肌に合うスキンケア製品を探すことも悩みの種だと思います。今回は、敏感肌さんのスキンケア製品の選び方、チェックすべき成分について簡単にお話します。

無添加しか使えない?
無添加化粧品と聞くと、どのようなイメージを持ちますか?多くの方は「お肌への刺激の少ない優しい化粧品」とイメージされると思います。実際は、「無添加」といってもなにも入っていないという意味ではなく、実ははっきりした定義はありません。一般的には、石油系合成界面活性剤や防腐剤が入っていない製品を意味することが多いです。

ですが、防腐剤は化粧品の腐敗を防いでくれる成分であり、医薬品や食品にも広く配合されている成分です。防腐剤が配合されていない化粧品は早期に腐敗しやすく、腐敗した化粧品は刺激になって赤みなどのお肌トラブルの原因となります。そのため、防腐剤が入っていた方が皮膚に優しい場合があり、無添加が一概に良いとは限りません。もしかすると、お肌の悩みの原因が無添加化粧品といった可能性もあるかもしれませんね。

この成分は危険・この成分がポイント

この成分は危険・この成分がポイント


① 防腐剤
・パラベン、フェノキシエタノール:長年使用されている防腐剤であり、身体への安全性も確認されています。化粧品の腐敗に関して心配が少なく、皮膚への刺激も少ないです。
・精油(ハッカ油/ヒノキ油など):皮膚への刺激がやや強い防腐剤で、肌荒れの原因となる可能性があります。敏感肌の方は避けましょう。

② 洗顔
・セラミド/グリセリン:敏感肌の方はお肌が乾燥していることが多いです。保湿成分であるセラミドやグリセリンなどが含まれている洗顔料を選びましょう。洗顔の際には擦ったりせず、きめ細かい泡で優しく汚れを落としましょう。

・固形石鹸:固形石鹸は、洗浄力が非常に強くお肌に必要な最低限の皮脂も洗い流して乾燥を悪化させてしまいます。敏感肌の方は乾燥が大敵なので、保湿力が低い石鹸は避けましょう。

自分に合ったスキンケア商品を見つけることが一番大切

自分に合ったスキンケア商品を見つけることが一番大切


敏感肌と一口で言っても、その原因は人それぞれです。多くの場合、乾燥は共通していますが、乾燥の原因が摩擦であったり、防腐剤をはじめとする一定のスキンケア成分であったり、紫外線であったり。まずは、ご自身の敏感肌の一番の原因は何かをよく考えてみましょう。そして、もし一定の成分でお肌が荒れると感じる場合には、時間がかかると思いますがそれが何なのかを検討してみましょう。上記に挙げた成分は、スキンケア成分の中でごく一部のものですが参考にしてみてくださいね。

 

この記事を書いた医師

木村奈緒医師

木村奈緒 医師

経歴: 久留米大学医学部卒業。現在は美容皮膚科クリニックにて勤務しており患者様の理想の姿に近づくサポートをしている。

 
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