【医師コラム】アトピー性皮膚炎の予防

2022.11.02

【生活環境】

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下してかゆみや発赤を伴う湿疹が出たり改善したりを繰り返す慢性の皮膚疾患です。

肌のバリア機能

軽い赤みやかゆみといった軽症の場合は比較的改善しやすいですが、かゆみが強くかきむしって出血してしまったり皮膚が厚くなるなど、一旦症状がひどくなると跡になったり色素沈着を起こしてしまいなかなか消えません。


また、顔にブツブツができたり赤みが出ると、それだけでストレスの原因になります。そして今度は、そのストレスが原因となり症状が悪化する悪循環に陥ってしまいます。


そのため、アトピー性皮膚炎が悪化しないように予防をすることがとても重要です。今回はその対策をいくつか簡単にお話します。


【生活環境】

アトピー性皮膚炎は、皮膚への刺激となるアレルゲンが原因で症状が出ます。そのため、ダニやほこりといったアレルゲンを日々の生活からなるべく排除し環境を整えることが効果的です。基本的なことですが、こまめに掃除をして清潔な環境を維持しましょう。

部屋を清潔にすることが予防につながる

また、入浴をしてその日の汚れをきちんと落とし皮膚を清潔にすることも大切です。ゴシゴシ擦らず、泡で優しく洗いましょう。


【スキンケア】

次に、お肌に合ったスキンケアを継続して行うことが大切です。アトピー性皮膚炎の方はお肌が敏感で、基礎化粧品の種類によっては沁みたり赤くなったりすることが多々あります。自分のお肌に合ったスキンケアを見つけましょう。

 

また、乾燥が大敵なので保湿をしっかり行いましょう。基礎化粧品の中にはアルコールを含んでおり水分を奪うものもあります。成分表をよく見て購入するようにしましょう。

保湿が予防につながります

紫外線もお肌に強いダメージになります。刺激の弱い日焼け止めでUVケアを心がけましょう。


【食べ物・水分】

偏った食事による栄養バランスの乱れはアトピー性皮膚炎を悪化させます。そのため、外食や極端なダイエット、食事制限といった栄養不足を引き起こす食事はやめましょう。特に、過度な糖分や脂質は避けるようにしましょう。

バランスのよい食事も予防につながります

 

また、皮膚のバリア機能は水分と油分のバランスが保たれた状態で良好に働きます。そのため、化粧水などで外から潤いを補ったり、経口で水分補給をすることを心がけましょう。すぐに症状が改善することはなく、少しずつ良くなっていくので根気強く継続しましょう。


【まとめ】

アトピー性皮膚炎の予防を簡単に説明しました。日常生活を少し気を付けるだけで症状の改善につながるので、1つずつ取り入れてみてください。

 

この記事を書いた医師

木村奈緒医師

木村奈緒 医師

経歴: 久留米大学医学部卒業。現在は美容皮膚科クリニックにて勤務しており患者様の理想の姿に近づくサポートをしている。

 
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