【医師コラム】アトピー性皮膚炎の症状段階

2022.11.02

アトピー性皮膚炎は皮膚のかゆみや赤みを伴う慢性疾患です。その症状には段階があり、軽症から重症まで重症度は患者様によって様々です。また、症状のある部位によっても特徴が異なります。

今回は、その症状の段階や症状の部位ごとの特徴についてお話します。

アトピー性皮膚炎 

【重症度の基準】

アトピー性皮膚炎の症状には、皮膚がカサカサ乾燥した状態から、ジュクジュク汁が出ている状態、皮膚が厚く硬くなった状態など様々な状態があります。軽症から重症までの特徴は以下の通りです。

軽症:皮膚がカサカサした乾燥状態

中等症:皮膚の赤み、皮むけ、ブツブツ、ひっかき傷を主体とする皮膚の状態

重症:浸出液や出血がある、かさぶたができている、水疱、皮膚の肥厚

 

皮膚症状の範囲が小さくても、重症の症状に当てはまれば重症と判断されます。重症になるほど治療が難しくなるので、なるべく早い段階で皮膚科受診を検討しましょう。

 【部位ごとの症状】

皮膚の症状は先ほどお話したとおりです。ですが、アトピー性皮膚炎の症状は皮膚だけではなく、全身に及びます。その部位ごとに特徴的な症状があるので簡単に説明します。

・顔:基本的には上記の皮膚症状と同じですが、顔の皮膚は薄いので顔全体が赤くなりやすいです。顔の症状は日常生活で隠しにくいので、アトピー性皮膚炎の精神的なストレスの原因となります。

アトピー症状顔

・目:目の周りにむくみやただれが生じ、まつ毛が抜けることもあります。合併症として、白内障や網膜剥離など思い視力障害につながることもあります。

アトピー症状[目]

・首:基本的には皮膚症状と同じですが、色素沈着などが目立ちやすいです。

アトピー症状[首]

・関節:左右対称に関節の内側に湿疹ができやすいです。肘や脇、膝などの大きな関節に生じやすいです。

 アトピー症状[関節]

 

【まとめ】

今回はアトピー性皮膚炎の症状の段階や部位ごとの特徴をお話しました。重症になる前になるべく早い段階で治療を始めることがポイントです。症状が気になる時にはすぐに受診できるようなかかりつけの皮膚科を作ることをオススメします。

 

この記事を書いた医師

木村奈緒医師

木村奈緒 医師

経歴: 久留米大学医学部卒業。現在は美容皮膚科クリニックにて勤務しており患者様の理想の姿に近づくサポートをしている。

 
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